会長挨拶

あたたかい心を育む新生児医療を。


新生児医療の進歩に伴い、多くの早産の赤ちゃんが生存するようになりました。まだお腹の中にいるような小さい赤ちゃんが、子宮という環境の外で受けるストレスは、赤ちゃんの発育・発達に影響をおよぼします。あたたかい心を育む医療にはそのストレスを最小限となるよう配慮することが重要です。

日本ディベロップメンタルケア研究会は、ディベロップメンタルケア(成長発達ケア)の理念とその実践の普及、およびNIDCAP(neonatalindividualized developmental care assessment program、個別的発達促進ケア評価プログラム)の専門職者の教育を行っています。それらの活動を通じて、赤ちゃんとご家族の「あたたかい心」をはぐくむことを目指しています。

人間の人間たる由縁は高次脳機能により相手の気持ちを感じ取る能力であり、それは心の理論」と呼ばれています。私たちは医療者として、赤ちゃん達の命を救うことや身体的障害を少なくする医療に一応の成功を収めてきましたが、子どもの心を救う医療においては課題を残していることに気づき、それが本研究会を立ち上げる大きな誘引となっています。最初のNIDCAPの学術的な発表から30年以上の年月がたちますが、ようやくわが国でもNIDCAPを取り入れている施設が増え、日本語でNIDCAPを学ぶ環境が整いつつあります。

是非多くの方々が、赤ちゃんの心を育むDCの理念とNIDCAPの実践を学び、我が国の新生児とその家族に幸せをもたらす活動に参加していただきますことを願っています。



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日本DC研究会名誉顧問(前会長)
仁志田博司(東京女子医大名誉教授)

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日本DC研究会会長
大城昌平(聖隷クリストファー大学(教授・学長))

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